いくつもの円を持つマラカイトの個性的なデザイン。
その円はまるで輪廻転生の輪のような
仏教的なイメージを投げかけます。
こちらは中央に大きな円の上に小さな円が4つ重なったデザイン。
どこか掌や足の裏のように見えるのが面白いなと思いました。
タイの寺院や日本各地にある巨大なブロンズの涅槃像
横になっている仏陀の足の裏には豪華なデザインが施されており
こちらのマラカイトのデザインのような文様が描かれています。
涅槃像の足裏の文様は宇宙観を示すシンボルでもあります。
こちらのルースはちょうど涅槃像の足裏のような形をしています。
ブロンズの涅槃像が緑色をしているのも似ています。
マラカイトの奇妙なビジュアルも
宇宙を示すシンボリックなエネルギーの表れだと思えば
この石の力の強さも不思議ではないかもしれない。
木星の渦のような流れるラインのルースが多く
こちらのように渦がいくつも入っているものは貴重です。
バランスよくカットされ研磨されています。
鉱物名___Malachite(孔雀石)
サイズ___30X17X05mm
重さ____33.9ts./6.8g
石の処理__天然無加工
製造国___インド
孔雀の羽根にその模様が似ていることから和名で「孔雀石」と呼ばれるマラカイト。ルースのデザインも強烈ですが、鉱物はもっと毒々しく、ブドウの房のような塊の結晶が見られます。鮮やかな色彩を持つため顔料(岩絵具)に古くから利用されています。水や汗に弱いため、水浄化は適しません。
古代エジプトではクレオパトラがマラカイトの粉末をアイシャドーに使っていたとか。クレオパトラのあの濃いアイシャドーはマラカイトのグリーンだったのですね。化粧の意味だけでなく、目の周りにマラカイトを付けることで洞察力を養うという意味もあったそうです。
天眼石のようなぐるぐるとした眼のような模様を持つマラカイトは同じく魔除け効果があるとされる石で、持ち主のマイナスエネルギーを吸収する力が強く、それによって魔除け効果を果たすのでしょう。「毒を持って毒を制す」を地で行く石なのだと思います。
一説によると毒素のあるマラカイトを使った化粧がクレオパトラの死の原因だったのではと聞いたことがあります。クレオパトラはマラカイトといいお気に入りのエメラルドといい、グリーンが大好きだったようですが、最後蛇に噛まれて亡くなったという伝説も蛇が緑色をしていることを考えると、暗にマラカイトを示唆しているのかもしれません。化粧のせいで亡くなったよりも、蛇に噛ませて自ら命を絶ったと伝わった方がロマンチックですしね。
強烈なビジュアルを持つマラカイトはまったく私好みではないのですが、木星のような渦を持つ丸いルースのマラカイトを始めて手にしたとき、素晴らしい石だと思いました。マラカイトは画像で見るとかなりインパクトがありますが、実物はもっと親しみやすい石です。それはマラカイトの硬度がそんなに高くなく、衝撃などに弱い実は柔らかい石のせいかもしれません。デザインも色も強烈ですが実物はもっとソフトな印象で、強い味方になってくれる頼もしい石でもあります。