苔生した岩や石を見るような
森の奥の暗闇を覗いているような
様々な想像を掻き立てさせてくれるビビアナイト。
こちらは個性的な楕円形にカットされたルース。
周囲を囲むようにビビアナイトの模様が残っており
ビビアナイトのデザインがうまく活かされています。
藍色の濃淡がルースいっぱいに表れており
いつまでも眺めていたくなる不思議な魅力を持つ石です。
原石は色の付いたガラスのような透明感を持ち
世界中に愛好家が多いビビアナイト。
ビビアナイトは非常にデリケートな鉱物で
地上に産掘された時から酸化が始まり
光や空気に触れるとどんどん透明感がなくなって行きます。
原石の状態ですととてもアクセサリーには出来ないのですが
ルースは時間が経ってビビアナイトの変身が
ほぼ終わった状態と言えるでしょうか。
硬度も低く、アクセサリー用に加工されているものは
まだまだ珍しいようです。
酸化が進むと最終的に真っ黒になってしまうビビアナイト。
漆のような光沢と酸化の過程を見るような
藍染のような模様が独特の世界を醸し出しています。
鉱物名____Vivianite(藍鉄鉱)
サイズ____29X20X04mm
重さ_____20.3cts./4g
石の処理___硬度強化のための処理
原産地____オーストラリア
ビビアナイトは産出された状態の時は無色透明なのだそうです。それが太陽光と空気で酸化が進み、最後には真っ黒になってしまいます。原石は密閉した光を通さない箱の中での保管が必要ですが、こちらはルース用に加工されているため、他の石と変わらない硬さがあり、原石のような酸化や劣化が進んだりはしないと思われます。
ビビアナイトは日本でも産出される鉱物で、名前の由来は英国の鉱物学者から来ています。洞察力を高め、ネガティブな思考をポジティブに変換する力があると言われています。
ビビアナイトの深い藍色は酸化による変色なのは興味深いです。見る者を引きつけてやまない漆黒の闇のような青に、漆のように黒光りする光沢。そこに垣間見えるカーキ色の模様は、見事に調和した美しい世界を見せてくれます。
ビビアナイトの効果としては、洞察力が上がるといわれてますが、これはこのような深い藍色をした石の一般的な性質でもあります。ビビアナイトは地上に出てから地球上のエネルギーを吸収しているので、この石を見るだけでたくさんの情報を無意識に知ることができるのかもしれません。それが持ち主に洞察力を授けてくれるのかもしれませんね。
ビビアナイトの地上における変質は、この世界に不変のものはないことを教えてくれるようです。宇宙が常に拡大し変化しているように、ビビアナイトも少しずつ藍色が広がって行きます。まるで宇宙がその闇を広げ空間を飲みこんでいくように。私たちの意識もきっとビビアナイトのように一刻一刻変化し、拡大しながら浸透して行っているのかもしれません。