こちらはアメリカのルース・アーティストさんの作品になります。
アリゾナ産ターコイズを始め魅力的な天然石が採れるアメリカでは
珍しい天然石の原石を自分でカットし
個性的なルースに仕立て上げる職人さん兼アーティスの方が
たくさんいらっしゃいます。
天然石そのものをアートとして楽しむ
パワーストーンやアクセサリーパーツとはまた違った
天然石の楽しみ方だと思います。
オーシャンジャスパーの斑点模様が苔のように濃い
美しい緑色をしています。
ベージュ色のやさしい色味が珍しいです。
それを先端は鋭くカットしアンシンメトリーな三角形にカットしています
それと対照的に底辺の角は丸く研磨されており
底辺はわずかに内側に湾曲していて有機的なフォルムを形成しています。
このようなカット、石に対するアプローチは
定番のカットではありえないもの。
その石の魅力を理解して、石のエネルギーを一番活かした結果
型にはまらない形が生まれたんだと思います。
サイドの研磨もアクセサリーの加工用のものではなく
彫刻のように素材を活かしています。
丸みを帯びて研磨されており
まるでクッキーや雲のようなユニークでユーモラスな
柔らかさと軽やかさを感じさせる形態になっています。
アクセサリーとしてもちろん加工出来ますが
一つの作品として楽しめるルースなのです。
オーシャンジャスパーの魚眼部分はモスアゲートのような
緑色をしています。
肌色のクリーミィなベージュとのコントラストが
とても美しい一品です。
鉱物名____Ocean jasper
サイズ____47×24x5mm
重さ_____36cts./7.2g
石の処理___天然無処理
原産地____マダガスカル
製造国____アメリカ
オーシャンジャスパーは、ジャスパーの中でも高価な石で、それはまだ新しく産地も限定されているからかもしれません。初めて発見されたのは1999年。今の所マダガスカルのみで、透明な玉髄(カルセドニー)に魚眼状のジャスパーが密集したオーシャンジャスパーは、とても少ないそうです。ほとんどが不透明で魚眼の形も崩れているのがほとんどですが、そのような一部のハイクオリティなオーシャンジャスパーでなくても、カラフルで個性的なデザインのものがとても多いため、ジャスパーの中でも特に人気が高い石です。
尚、オーシャンジャスパーが最初に発見されたのは、引き潮で現れた海岸線だったため、海で採れる石という意味のオーシャンジャスパーという名前が付いていますが、今では海岸近くの地層や内陸でも発見されているため、引き潮時に採掘されるということはありません。
デザインもカラーも多種多様で、芸術性を高める石と言われています。アート作品にぴったりな素材です。
オーシャンジャスパーは多種多様な色をしていますが、緑色が入っていることが多く、魚眼部分がオレンジのものが多いようです。こちらのように魚眼が緑で淡いクリーム色をしたルースはとても珍しいと思います。ほとんどが強い個性を持ったカラフルな石のため、こちらのように柔らかい配色の石は少数派です。魚眼が二重、三重の円に囲まれているのも特徴で、アゲートのような円形の縞模様がそれぞれ独立していて、またイクラのようにくっついているのがとてもユニークなため、ジャスパーの中でも別格の存在でもあります。
こちらは画像でご覧の通り、表面が極めて滑らかで艶やかで触っていると気持ち良いくらいです。アーティストが石の声に耳を傾け、そのままにカットされ出来上がった理想的なフォルムだと思います。