大きなサイズのデンドライトオパール
クリアで中のデンドライトがよく見えます。
お盆のようなカットがまるでお月様のよう
水面に浮かんだ水草のようにも見え
また月夜の森のようにも見えます
こちらは黒いデンドライトだけでなく
下の方にオパール?も白くデンドライトのように石化している珍しいタイプ。
クリアなのではっきりと見えるのが嬉しい所。
まるで雲のように白く一枚の絵画を見ているようです。
水墨画のようなデンドライドとオパールが繰りなす景色はとても幻想的で
もののあはれや幽玄の世界を描いた平安時代の説話を思い出します。
クリアな石の中に踊る美しい風景
陰影に富んだ飽きないルースです。
大きなサイズだと石のデザインがよく見えるので面白いです。
サイド近くに少し角度があったり
下の方に小さな微小の窪みがありますが
全体の印象を損なうレベルのものではありません。
鉱物名____Dendrite Opal/Merilinite
サイズ____33X26X08mm
重さ_____51.5cts./10.3g
石の処理___天然無加工
原産地____アフリカ
デントライトは鉱物の亀裂に混入したマンガンが浸透し、樹枝状に結晶したものです。結晶化したマンガンが植物や樹木もそのものに見るのは、自然の奇跡と言わざるをえません。鉱物自体はオパールなので、石の作用はオパールに属しますが、オパールの中にも樹木の成分が化石化したものから生成されたものもあるので、デントライト・オパールは古い地球の地層に眠る樹木の成分が形になった可能性もあるかもしれないですね。
オパールといえば遊色効果のあるキラキラした宝石が有名ですが、和名は「蛋白石」といって、もともと卵の白身の様に白いことから名づけられたそうです。デントライト・オパールはまさにその由来通りの真っ白な乳白色をしています。
オパールが幸運を運ぶと信じられていたのは、恵みや豊饒をもたらす力があるせいかもしれません。植物や木々をそのまま閉じ込めたようなデンドライト・オパールは、オパールの特質をさらに強めたような石です。真っ白な雪景色のデントライト・オパールは、雪の日に人が温かい気持ちになるような、そんな幸福感を運んでくれます。
デントライトはギリシャ語で樹木を意味するdendronに由来します。デントライトには樹木の記憶が残っていて、樹木や森の意識と繋がりをもたらしてくれる気がします。一方で透明に近い半透明のオパールらしいルースは、水中のような景色を見せてくれます。デンドライドの植物のようなインクルージョンは、石の中に積もった古代の植物たちの記憶が映し出されているのかもしれません。