パキスタン産のトパーズの鉱物標本です。
ブラウン〜オレンジのスモーキークォーツを明るくしたような色
黄玉と呼ばれるオレンジ系のトパーズはインペリアルトパーズと呼ばれます。
強い光に当たると奥に赤い輝きが見られます。
表面は木目のような条線と鏡面のようにツルツルの面があります。
トパーズの菱形の自形結晶が表れています。
母岩はクリーブランダイトと言われる曹長石の一種。
ムーンストーンなどと同じ部類で板状の結晶のものを指します。
鉱物名____Topaz with Cleavelandite(黄玉、クリーブランダイト/曹長石)
サイズ____30x26x24mm
重さ_____12.3g
石の処理___ナチュラル
原産地____Dache, Haramosh Mts., Gilgit District(パキスタン)
和名を「黄玉」というように、黄色を始めとする多くのカラーを持つ石で、硬度が高く古くから宝飾品として愛用されて来ました。黄色いトパーズが一般的だった日本で、明治時代にブルートパーズが発見され、この時代日本は主要なブルートパーズの産出国だったそうです。ほとんどが海外に流出し、現在流通しているブルートパーズは加熱処理されたものがほとんどです。
トパーズは「探し求める」という意味のギリシャ語のtpazosに由来します。古くはペリドットと混同されていたり、熱処理によって着色されたり、黄色と青色のまったく異なるカラーを持つ石だったり、一筋縄では行かない複雑さを持つ石でもあります。
シトリンとよく似た色のインペリアルトパーズは、シトリンと区別するためにトパーズの中でもオレンジ色のものをインペリアルトパーズと名づけられました。
トパーズの色味が濃く、母岩の長石も羽根のように生えているかわいい一品です。結晶の断面もシャープでクリアな美品ではないでしょうか。
インペリアルトパーズは、成分によって決まりますがこちらは成分検査などしていません。インペリアルトパーズの中でもトップカラーはシェリートパーズとも呼ばれる赤味の強いもの。こちらの鉱物は内部に赤色を含むため、インペリアルトパーズ、またはシェリートパーズだと思われます。