ロマンチックなヴィンテージ・シェル
こちらは貝が化石化したフォッシルシェルです。
2011年のツーソンショーで正式に
「Spiralite gemshell(スパイラライト・ジェムシェル)」
と命名されました。
化石化した貝の内部ではカルシウムなどの成分が結晶化しています。
キラキラと鉱物化した部分(ドゥルージー)はアゲートです。
純白のような白さを保ち、長い時を経て貝から石へ。
こちらは40グラムある大きなサイズのスパイラライトで
化石標本としても立派な一品。
貝の中身の粒粒のドゥルージーが玉のようになっており
玉髄(カルセドニー)のようです。
モコモコとした繭玉みたいです。
貝の螺旋の殻頂(かくちょう)もきれいに残っており
アクセや装飾用の穴が貫通してあります。
(スパイラライトには横穴を通してあるものも多いです)
大きなサイズ、玉髄の精巧さ、殻頂の細かさなど
これだけ保存状態がよいのは稀だと思います。
天然石としてだけでなく、化石標本でもある
コレクターズアイテムです。
鉱物名___FOSSIL SHELL,Spiralite Gemshell (貝化石)
サイズ___48X28X27mm
重さ____40g
石の処理__ナチュラル
原産地___インド
・簡易書留(400円)、レターパックプラス(510円)
フォッシルシェルは、化石化した貝で、貝化石、風化貝とも呼ばれています。スパイラライトは2011年に国際的にインド産の天然石として発表され商標登録されましたが、現地ではヒンドゥー語のオリジナル名もあり、スパイラライトという名前ではほとんど流通していません。
スパイラライトは貝の9割が右巻きと言われる中で、珍しい左巻きの貝でもあります。この貝は今のところインドのみで発掘される貝化石で、アゲート化した結晶を内包し白く石化する美しい巻貝の化石です。
貝類の化石といえば古代生物のアンモナイトやアンモライトがありますが、こちらの石のように美しく結晶化し石化した貝類も、一億年近い長い時を経ています。
フォッシル・シェルは、うっとりするようなビジュアルだけで十分に魅力的ですが、化石化した貝にはリアルな海の記憶と、化石となった地中の陸の記憶が詰まっているように見えます。深い海の記憶と深い土の記憶。こちらの石のまるで女性の乳房のような巻貝の渦と、アゲート化したミルクのように白い結晶は母なる海と母なる大地を想わせます。とても女性的なエネルギーを内包しています。
螺旋(らせん)を意味するSpiralと石を意味するlite(ライト)から、スパイラライトと名付けられたこの貝化石は見たままそのまんまのネーミングですが、このらせんが右ではなく左なのが重要なのかなと思います。右は時計回り、左は反時計回りで、左回りは地球の自転や公転と同じ方向です。左と右の見分けかたは、貝の殻頂のらせんの始まりが時計回りか反時計回りか、または貝の出口が左右のどちらにあるかでわかります。
淡水の生物は左巻が多いと言われていますが、貝の9割は右巻だそうです。この圧倒的な差はなぜなんでしょうか。惑星に生息する生物が惑星の回転と反対方向に回転しているのはなんとも不思議です。