ロシアン・マラカイト
ロシアのウラル地方ではウラルマラカイトとして有名なマラカイトが採れるようです。
枯渇してしまって鉱山はもう大分昔に閉山してしまっているとのこと
少量のストックを現地のセラーさんよりお譲り頂きました。
クリソコラブルーとのコントラストが美しいルース
同じクリソコラでもこの青の深さがロシア産という感じがします。
風景石のような絵画的なデザインです。
まるで地球のどこかの景色を切り取ったよう。
リンガム状の大きなサイズで、中央が高く研磨されています。
マラカイトクリソコラは強度が強くないですが、全体的にツルツルできれいに加工されています。
色鮮やかでゴージャスなマラカイト
当地でウラルマラカイトとして重宝されていたのもわかります。
Malachite(孔雀石), Chrysocolla(珪孔雀石)
46x23x6.6mm
51cts./10.2g
Ural, Russia
孔雀の羽根にその模様が似ていることから和名で「孔雀石」と呼ばれるマラカイト。ルースのデザインも強烈ですが、鉱物はもっと毒々しく、ブドウの房のような塊の結晶や大輪の弧を描くような結晶が見られます。鮮やかな色彩を持つため顔料(岩絵具)に古くから利用されています。水や汗に弱いため、水浄化は適しません。
古代エジプトではクレオパトラがマラカイトの粉末をアイシャドーに使っていたとか。クレオパトラのあの濃いアイシャドーはマラカイトのグリーンだったのですね。化粧の意味だけでなく、目の周りにマラカイトを付けることで洞察力を養うという意味もあったそうです。
天眼石のようなぐるぐるとした眼のような模様を持つマラカイトは同じく魔除け効果があるとされる石で、持ち主のマイナスエネルギーを吸収する力が強く、それによって魔除け効果を果たすのでしょう。「毒を持って毒を制す」を地で行く石なのだと思います。
ロシアの石は色味に深みがあり、とても魅かれるものがあります。少し暗さのあるコントラストが寒さの厳しいロシアのイメージそのものです。また同じ石でもどことなくベルベットのような重厚感や高級感を帯びているのがロシア産の石っぽいです。マラカイトも結晶を伴っていたり、少しシャトヤンシーが出ていたり。他の成分とのコンビネーションやコントラストに際立った個性を発揮しています。
マラカイトの深い緑色は原生林の森の緑のように暗さを伴ったディープグリーン。ただきれいな緑色というわけでなく、どこか一筋縄では行かないような、原始林の緑のように霊性を伴った色味のような気がします。深い森の奥や深い海の底には得体の知れない何かを感じるように、濃い緑色や青色には私たちの意識の深淵にアクセスする、導く何かがあるように思います。
J・ダウ女史はマラカイトを「無人島に持っていく石」に挙げています。霊的にも肉体的にも痛みを引き受ける癒しの石であり、ヒーリングによって生まれ変わる欲求に呼応するとも言っています。環境の変化が多いこの季節に相応しい石かもしれません。