ピンクバライトと黒いクォーツと共生した、ピンクバライト・イン・クォーツです。
去年のミネラルショーから。一目惚れして釘付けになったシリーズ(笑)
思わず買い占めたい衝動にかられましたが、一つ一つ厳選してトップ画像のみ仕入れました。
ピンクバライトは砂漠のバラ。ピンク色のデザートローズですが、クォーツとの共生は珍しいのでは。
ピンク色のバライトはもちろん、ドゥルージー化したブラッククォーツがとても華やかです。
まるでフラミンゴが羽根を畳んでいるような、とってもフォトジェニックな一品。
母岩を見るとこのブラッククォーツの色はガレーナによるものなのかなと思いました。
この石を見ていると「ポンパドール」という言葉が浮かびました。
鳥の羽根にも見えるバライトと宝石のように輝くクォーツは
まるでパリの社交界の夫人の華やかな帽子を思わせます。
裏面の母岩も中々の迫力。
ガーリーでエキゾチックな鉱物です。
Barite/Baryte in Quartz(重晶石)
42x40x21mm
49.2g
モロッコ産
バライト(重晶石)はバリウムのことで、細かい平らな板状の結晶が重なっているのが特徴です。砂漠のバラと呼ばれるデザートローズと同じグループ(デザートローズには石膏で出来たものと重晶石で出来たものがあります)。バライトのグループは他にセレスタイト(天青石)とエンジェルサイト(硫酸鉛鉱)があり、変種として北投石があります。
Bariteはギリシャ語で「重い」を意味するbarysに由来し、この鉱物の比重が重いことから名付けられました。黄色、白、青、茶色など様々な色があります。花弁のような板状の結晶が花や羽根に見える鉱物。アメリカやモロッコで産出します。産業用ではバリウムとして利用されます。日本でも秋田や北海道で産出しました。
ポンパドールといえば、ルイ十五世の愛人のポンパドール夫人が有名ですが、当時の華やかなりしパリの社交界の象徴のような女性です。バライトの原産地であるモロッコは長くフランスの植民地でして、モロッコ産の鉱物や化石を扱うフランスの業者さんは多いです。こちらもフランスの業者さんよりお譲り頂いたもので、そのためパリのイメージが降って湧いたのかもしれません。
バライトは鳥の翼のように結晶する石。こちらも鳥の羽根のような流線型のフォルムとラインを刻んでいます。甘いピンク色だけじゃなく、クォーツのブラックがまるで洋菓子のようにビタースィートな魅力を運んでいます。デコレティブでゴージャスな石の魅力は大人かわいい女性の魅力そのもの。またそのようなジャンルのクリエイティブなイメージも刺激してくれると思います。