真っ赤なインクルージョンが鮮烈なアンフィボール・イン・クォーツのルース。
「エンジェルファントム(クォーツ)」とも呼ばれています。
ヨットの帆のようなアンシンメトリーなカットで、上下に丸みを持たせて研磨されています。
サイドは二段階のファセットがあるジュエリーカットです。
アンフィボールにはシラーも出ています。
強い光を当てないとわからないですが、クォーツ内の結晶の模様や、サイド付近の切り込みなど、原石由来のナチュラルな部分が残っています。
絵画的な力強いインクルージョンと透明感抜群のクォーツ。
産地はレムリアンシードの初期鉱山のあるセラドカブラル産です。
セラドカブラル山脈では、既に閉山されたれたの初期鉱山以外の鉱山で、今でも透明度の高いクォーツを産出しています。
とてもたくましいビジュアルのアンフィボール・イン・クォーツ
明るく情熱的なブラジル人のように元気をもらえます。
Amphibole in Quartz(角閃石入り水晶)
30x17x9mm
34cts./6.8g
Serra do cabral, Minas Gerais, Brazil
角閃石の一種のアンフィボールはクォーツの中で羽毛のような細長い繊維状ですが、鉱物の角閃石は一般的に柱状に結晶します。ピーターサイトやアクチノライト(緑閃石)にも入っているそうで、この細長い繊維状の結晶が他の鉱物に混じるとシャトヤンシーを生むような独特の効果をもたらすのかな?とも思います。
角閃石であるという以外アンフィボール・イン・クォーツについての情報は少なく、古い石の図鑑などにもみつかりませんので、比較的新しく見つかった鉱物なのかな?と思います。ブラジルではとても色鮮やかななアンフィボール・イン・クォーツがガーデンクォーツなどと共に続々産出されています。赤や黄色など暖色が多いです。
アンフィボール・イン・クォーツは、まるで油彩の抽象画のように太いタッチで原色の鮮やかな色彩とのコントラストを見せます。初めて見た時から、原石よりポリッシュの方に惹かれた不思議な石。研磨された方がインクルージョン系のクォーツは内部がとてもよく見えますので、アンフィボールの色鮮やかで羽毛のように繊細な世界は、ポリッシュだとより細部まで見えるでしょう。
柔らかい羽毛が広がるようなアンフィボール・イン・クォーツは、ルチルのような直線的なインクルージョンとはまた違ったクォーツ内部の世界を楽しめます。また、ブラジル産のルチルクォーツには、アンフィボールのように柔らかいインクルージョンのタイプもありますので、インクルージョンを細かく精密なまま内包出来るのは、ひとえにブラジル産水晶の水のような透明度や結晶のクオリティの高さなのかなと思います。