ジャスパーのような色合いと、アゲートのような半透明の質感。
コプロライトと呼ばれる、長い年月を経て化石化した恐竜の糞化石のタンブル。
恐竜かあ・・・糞化石かあ・・・
と一瞬躊躇しましたが(笑)
あまりの色合いの素晴らしさにいくつか購入しました。
コプロライトでもこんなに色鮮やかなのはレアのようです。
表面は半透明な部分もあり、アゲート化しています。
アゲートやオパールも、生物の死骸から出たタンパク質が、地中の微生物の作用や様々な要因で石化したもの。
石の生成には生き物もかなり関わっているのかもしれませんね。
そしてとてもビビットな光や色彩の分布を生み出します。
時代は中生代ジュラ紀。ジュラシックワールドの時代。
この後に白亜紀が始まり、その次の新生代新第三紀中新世で、人類が誕生して行きます。
わずかに残った恐竜と人類が共存していた時代もあり、翼竜と呼ばれる飛ぶ恐竜の存在は、指輪物語のようなファンタジーにも描かれており、歴史にはない時代のヒントを与えてくれます。
Coprolite(糞化石)
31x20x14mm
13g
Utah, USA
アメリカのユタ州とコロラド州の境には、"The Dinosaur Quarry"(恐竜の発掘現場)と呼ばれる恐竜の化石の一大原産地があります、現在では国立公園(Dinosaur National Monument)に指定されています。アパトサウルスの完全な骨格体の他11種類もの恐竜の骨が発見され、1600点以上もの恐竜の骨が埋まっているのだとか。
恐竜の骨が発見された地層は、モリソン層と呼ばれる砂岩で、恐竜の時代でもあるジュラ紀に堆積したものです。コプロライトもこの地層から産出されます。
ジュラ紀のモリソン層からは、植物食恐竜のものである糞化石が見つかっているのだとか。こちらのコプロライトも、肉食ではなく植物を消化した糞化石なのかもしれませんね。琥珀やオパールなどと同様に、同時代の植物や生物の生態に関わる情報の重要な情報源でもあります。また人類誕生以前の地球がどのような地球だったか、しばし思いを馳せる気持ちにさせてくれます。
レッドジャスパーのような赤い色を見ていますと、恐竜の時代がとても温暖だったことを思い出します。今よりも平均気温が10度以上高く、地球がとても熱を持っていた時代。熱すぎて人類はとても生存出来ませんが、恐竜が生息していた時代は一億六千万年もの間と言われています。とても長い長い時代にまるで現在の人類が地球の主のように暮らしているのと同じように、ダイナソーはその時代の地球の主人公だったわけです。
赤ん坊の体温が高いように、地球がまだ幼かった時代の生き物である恐竜。体も大きく今と同じ重力だったかどうかはわかりません。気温が下がり、気候が寒くなってから生まれた人類は、まるで地球が老齢に差し掛かった頃にやって来たのかもしれません。