ウクライナ産のピロータイト(磁硫鉄鉱)入りのスフィアとスタンドです。
台座も同じ石で作られた珍しい研磨品です。
スタンドのスフィアを置く部分はわずかに丸く凹んでおり、そこにちょこんと乗せて触ると、台座の上でくるくると地球儀のように回るのです。
インテリアとして飾れるだけでなく、スフィアを転がせるので、いろんな角度から見ることが出来ます。
パイライトのように見える成分が、ピロータイトです。
セラーさんによると、クォーツ&ピロータイトということでしたが、
シンビルサイトによく似ているなと思います。
シンビルサイトはモスクワの東にあるエリアが産地で、金色のコモンオパールにパイライトが入っていて、この産地だけの特有のものです。
ウクライナとは少し離れていますが、シンビルサイトによく似ていますので、クォーツの中でオパール化しているのではないだろうかとも思います。
この地域はアンモナイトもメタル化してて、化石やオパールのような古い鉱物に鉄分が混じっているようですね。
鉄や銅鉱床と古い地層が近いということでしょうか。
こちらはスフィアも大きめで、鉄分がたっぷり入っていますので、見た目通りの重さです(笑)
メタリックな輝きと、化石を思わせる色合いに、カッコいいなあ...と購入を決めたのでした。
Planets earthのシリーズの中でとても渋い3点。
まるで海が生まれる前の原始地球を思わせます。
燃えるマグマの地球のようにも見えなくもないですね。
地球の核は鉄で出来ていて、マグマも鉄分です。血液と同じですね。
実際石の成分のことを考えると、こちらの石は古い地質から出来た可能性もあると思います。
Pyrrhotite, Quartz(磁硫鉄鉱)
直径63mm
579g(台座含)
Ukraina
磁硫鉄鉱は黄鉄鉱(パイライト)と共に産出されるので、同じ鉄鉱石のお仲間。
Wikiを見ると、産地について面白い記述があります。
「産地は、ロシアの
ダルネゴルスク、
ルーマニアのヘリア、ドイツのセントアレンドレアスベルグ、
西オーストラリアのカンバルダ、イタリアのトレンチノ、カナダのサドベリー、
アメリカのニューヨーク州、ニュージャージー州、ペンシルバニア州などがある。」
ダルネゴルスク、ルーマニア、両剣水晶のハーキマーダイヤモンドが採れるニューヨークなど、興味深い地域にこのパイライトのお仲間さんは産出するようです。西オーストラリアはストロマトライトの産地。もしかしたら、地球の古い地層と関わりがあるか、ある時代の地殻変動によって生成されたような成分の可能性もあるかもしれませんね。
ちなみに、北半球のこれらの地域は北緯45度前後にあり、地球を帯のように分布しているのが興味深いです。
入荷したのはまだルースをメインに扱っていた頃で、一目見た瞬間惑星のイメージに強く打たれました。7点入荷して、太陽系の惑星のイメージがあったのですが、それぞれのスフィアと具体的な惑星のイメージが繋がらず、4年も在庫の中で眠っていました。自分がもっと宇宙について学んでから、もっと成長してからと思っていたのかもしれません。
太陽系のような惑星だと思っていたのが、実はどれも地球の姿なのではないか、と閃いてから、Planet Earthという言葉が浮かびました。BBCの自然ドキュメンタリーのタイトルですが、このスフィアのどれもが地球のそれぞれの次元の姿でもあるかもしれない。私たちは遠くの惑星を見てホロスコープのように星の性質をイメージしますが、地球はそれらの惑星のエネルギーをホログラムのように映し出しているのではないか。だから別々の惑星のイメージを抱いていた間はずっと在庫に眠っていたのに、全て地球の姿かもしれないと気づいた途端、イメージが固まった気がします。
青い地球、緑色の地球、そして茶色い地球もありますが、どれもすべて地球のある次元の姿であり、太陽系の各惑星のエネルギーを映し出している鏡。それが地球なのかもしれません。