南フランスのミラボーという地方で採れるミラボーダイヤモンド
セプタリアンのノジュールにクォーツが結晶した、クォーツ・イン・セプタリアンです。
ピュアな子供のようなダイヤモンドの輝きも素晴らしいのですが、母岩のセプタリアンのノジュールの面白さがたまりません。
セメントになっていたり、カルセドニーのようになってたり。
白いクォーツやオレンジ色の成分も、個性的なコントラストです。
まるでジオラマのような母岩の光景と、あちこちにダイヤモンド型のクォーツが顔をのぞかせているのを見つける面白さ。
通好みのマニアックな鉱物かもしれません。
キラキラとしたクォーツが意外に華やかです。
大きな透明なダイヤモンドだけでなく、小さな白い結晶も魅力です。
クォーツがたくさん群生しているミラボーダイヤモンドです。
Quartz in Septarian
54x53x38mm
131g
Mirabeau, Alpes-de-Haute-Provence, France
フランス南部のミラボーの一部のエリアで産出されるノジュール状のセプタリアンの中にダブルターミネーテッドのダイヤモンド型のクォーツ。セプタリアンの中にDTの結晶が生まれるという珍しい鉱物です。
ノジュール状のセプタリアンを分割したもので、セプタリアンを母岩にクォーツが結晶しています。産出量は少なく、稀に市場に現れるようです。
アルプス水晶やアルプス山脈で採れる石は小粒なものが多いですが、ミラボーダイヤモンドもノジュールの中にひっそりと煌めく水晶です。アルプス周辺はあまり大きな物は採れなくても、気になる石がよく出て来ます。
セプタリアンはカルサイトとアラゴナイトから出来ていますが、巨大なセプタリアンのノジュールがニュージーランドの海岸でゴロゴロ転がっています。wikiによると英国の海岸にもあるそうですが、カルサイトもアラゴナイトも太古の昔に海だったエリアで貝の死骸から出来るものなので、セプタリアンも海に近い海岸でノジュールが見つかるのかなと思います。
そんなセプタリアンがアルプスのような標高の高い所で発掘されるのは驚きなのですが、かつての地殻変動や造山活動の名残なのかもしれません。
恐竜のようないかつい見た目ですが、海の記憶を携えているセプタリアンから生まれた透明な結晶は、まるで真珠のように汚れなきイメージを運んでくれるようです。