表面が冷凍庫のフロストのようになっているブルガリア産のアイシー・ファントム・アメジスト。
2021年に新鉱山から発見されたようです。
表面のアイシーなクォーツの結晶は粒状になっていて、氷柱のように幻想的。
こちらはかなり白いタイプのアメジストクォーツで、白さに魅かれて入荷しました。
ビビットなアメジストやクローライトがインクルージョンになっているようです。
こちらもアメジストだけでなくクローライトが見えます。
背面を見ると見事なパイライトがインクルしています。
すっかり気に入ってしまいたくさん入荷しましたが、いくつかマイコレにしています。
デスクの上に陣取っていて、不思議と癒されます。
まるで植物のように群生しているクラスター。
斜めにつくしのようにニョロニョロ傾いて生えていることが多く、そのためどの角度からも違った景色が見えます。
同じ角度に飽きたら違う角度に変えて別の雰囲気を楽しめます。
多分クラスターの中心に強力なボルテックスがあるので、斜めに生えているんじゃないかなと思います。
だからどちらを上にしても、前と後ろを変えても、どの角度から見ても裏側というものがない。
強力な渦を持っているクラスターだと思います。
アメジストのファントム、ゲーサイト?っぽい黒いインクルージョン。
パイライトやクローライトなど、ブルガリア産クォーツに特徴的な成分がほぼ全て入っている感じです。
Amethyst (紫水晶)
127x69x58mm
437g
Djurkovo mine, Laki Municipality, Plovdiv Province, Bulgaria
ブルガリアのマダン鉱山は水晶クラスターの名産地で、パイライトと共生した水晶が採れます。すでに閉山されているという噂もあります。カルサイトやパイライトなどと共生し、アーティスティックで幻想的なクラスターが発見されています。
アイシー・アメジストの産地のプロブディフ州はギリシャとの国境近くにあるマダン鉱山より北にあり、ブルガリアの中心部に近くなります。これまでブルガリアの鉱物はほぼマダン鉱山産だったので、初めての産地です。とてもビビットなアメジストが採れるので、地殻変動が盛んだった可能性があります。産地としてとても興味深いです。
シリウス時代の森のようなビジョンが勝手にイメージが沸いて来るのですが、幻想的なクラスターの光景は、ファンタジーの世界のような、妖精が棲む森のようにも見えます。「アナと雪の女王」のような氷の女王が住んでいそうな雪の世界。おとぎ話のようでもあり、私たちの視界では見えない自然のエネルギー世界もあるかもしれないと思わせます。
アメジストファントムなので、クォーツの成長途中に自然放射線の影響を受けた時代があったはず。そしてファセットはクリアなのに柱面はフロスト状に覆われているのは、柱面の表面でクォーツが結晶化する作用があったと思われます。いくつもの段階や複雑な過程を経ているアイシーアメジストファントム。再成長や再結晶を繰り返している成長力や自己治癒力が高い癒しの石だと思います。