ブラジル産のブルートパーズの原石です。
加熱されたブルートパーズは海のような青い色をしていますが
原石は淡いスカイブルー色なのでしょう。
ブラジル産に特徴的な色です。
触るとひんやり冷たくて清涼感溢れる不思議な石です。
磨かれる前の原石なので宝石のように
キラキラしているわけではないですが
それでも光を放っているのがわかります。
氷砂糖のような透明感。
ペンダントにぴったりな小粒なサイズです。
小さな原石はワイヤーラッピングがルースよりもよく似合います。
鉱物名____TOPAZ
サイズ____19X13mm
重さ_____13.05Cts./2.6g
石の処理___非加熱
原産地____ブラジル
トパーズは日本で唯一産出する宝石類ですが、トパーズといえば、村上龍の小説に『トパーズ』という同名の本があって、そのイメージが強くて私はあまりいい印象がなかった石でした。今想えば、著名な小説家がバブル期の爛熟した東京を舞台にした小説に日本で唯一産出する宝石名をタイトルにしたのは、なんだか象徴的に想えて来ます。
和名を「黄玉」というように、黄色を始めとする多くのカラーを持つ石で、硬度が高く古くから宝飾品として愛用されて来ました。黄色いトパーズが一般的だった日本で、明治時代にブルートパーズが発見され、この時代日本は主要なブルートパーズの産出国だったそうです。ほとんどが海外に流出し、現在流通しているブルートパーズは加熱処理されたものがほとんどです。
明治時代は近代日本国家の夜明けの時代で、その時代に日本がトパーズの一大生産地だったという事実は見過ごせないものがあります。トパーズの効果に、「探し物に出会える」「創造性を与える」などの意味があるそうですが、西洋文明によって文明開化した明治時代の日本は、新しい文化に出会い融合したクリエイティブな時代だったとも言えます。
小説『トパーズ』もトパーズの指輪を手にしてから物語が動き出しますが、個人の人生においてもトパーズはもしかしたら明治時代の日本のような大きな出会いや変化のきっかけとなる石なのかもしれません。
ひんやりとしたクールな石なので、知性や教養を与えるという意味もあります。この石は知的探究心や好奇心によって未知の世界の扉を開く鍵となる石でもあるのでしょう。