内モンゴル産のエンジェルラダー・クォーツ。
エンジェルラダーだけでなく、レインボーもすごいです。
剣のように幅広で大きさの割には軽く、ポイント全体に強いレインボーが広がる様は
まるでスターウォーズのライトセーバーのようです。
こちらはシンギングの音は出ないですが、ジェネレーターのように六角形の形がとてもきれいなポイントです。
カルサイトの干渉があると、水晶の透明感が一味違います。
石の中の白いモヤやお尻の部分、柱面のキーにカルサイトの白さが見られます。
(カルサイトまたはカルシウムなどの石灰系の白い成分だと思います)
ファセットだけ研磨されて整えられています。
柱面も研磨されているのかと思うほど艶やかで、柱の角は鋭利です。
カルサイトの干渉は外面も内側も、円を描いたような丸っこいものが多いです。
内部の白いモヤもぐるぐる巻きながら浮かんでいるような感じ。
先にご紹介している内モンゴル産のカルサイト・イン・クォーツ(Blue Ray Singing)と同種のものになりますが、こちらはエンジェルラダー入り。
エンジェルラダーよりも、ライトセーバーのようなレインボーにうっとりとしてしまい
つい写真を多く撮ってしまいます。
カルサイトの影響で母性的な白さや柔らかい光を持ち、ずっと触っていたくなる不思議な水晶です。
ビッグサイズの水晶ですが、枕のようなこの大きさが安心感を与えてくれます。
レインボーは石の内部の結晶やクラックの反射で起きることが多いですが
内モンゴル産のカルサイト干渉のクォーツは、内部からにじみ出るように光ります。
その点コロンビアン・レムリアントよく似ているかもしれません。
内モンゴル産として入荷しましたので、産地の詳細は参考です。
Calcite in Quartz Crystal(カルサイト付水晶)
150x40x47mm
420g
Hexigten Banner, Chifeng City, Inner Mongolia, China
(中華人民共和国内モンゴル自治区赤峰市)
内モンゴルといえば中国国内の自治区なので、あまり目立った情報はないのですが、内モンゴル自治区の形が日本列島とよく似ていることをご存じですか?この地の一連の水晶を集めて見えて来たのは、内モンゴルの赤峰市の鉱山地帯は、ヘデンバーガイトの鉱床があるのではないか?という直感です。
ヘデンバーガイトは和名は灰鉄輝石といい、輝石グループで翡翠輝石の仲間でもあります。石灰質の変成岩や石灰岩の交代によって形成された鉱床に多く見られるため、カルサイトの影響が強いです。
中国は四川省にもアンモナイトの化石が見つかっており、古代中国大陸は海だった可能性があります。また、新疆ウイグル自治区のトルファン盆地は、中国大陸の深奥部にありながら、なぜか世界第4位の海抜の低さです。内モンゴルの水晶にはカルサイトの影響が強く見られ、海中の貝類の死骸によって形成された石灰層が形成された白亜紀にこの辺りまで海だったのではないかと思います。
内モンゴルのような内奥は、中国大陸のテチス海の最北端で浅瀬の海だったと思われます。そのため一番古い海の記憶を残している可能性もあります。アメリカ大陸の内陸部のユタ州が古生物の化石が豊富なのと同じです。
中国大陸南部まで、パンゲア大陸時代にテチス海という古代内海が広がっていましたが、内モンゴルやダルネゴルスクの辺りまで、海水は来ていたのではないかと思います。中国内陸部までアンモナイトの化石が発見されており、中国南部の平野部にまるで削られたように高低差の山々があるのは、海水の侵入による影響かと思います。海水が侵入したエリアは貝の死骸によるカルサイトを蓄積しますので、カルサイトの影響が残る鉱物が生成されたのかなと思います。内モンゴル産にカルサイトの干渉が多くみられるのは、この地までも海水が来ていたのではないかと思うのです。
内モンゴル産のカルサイト・イン・クォーツは、青い光を内包しているのではないかと感じます。ここはブルーのホログラムのような影を持つエンジェルラダー・クォーツの産地なので、肉眼では見えなくても現像で現れるように石自体が青い光を帯びているクォーツがあるような気がします。
コロンビア産の水晶にもパスウェイクォーツと呼ばれるブルーのミストやスモークを持つブルースモーク(ミスト)クォーツが発掘されていますが、コロンビア産のクォーツにもカルサイトの干渉があるクォーツが入荷しています。カルサイトの干渉が強いクォーツは、青みを帯びるのではないかと思います。内モンゴル産のカルサイト干渉のクォーツは、コロンビア産のクォーツに近いものがあると思います。
カルサイトの浸食がグリフを作り、クォーツに青い光を与え、シンギングの音を奏でさせる。貝の死骸の蓄積によって生まれるカルサイト。それは古代の海テチス海の作用であり名残だと思うのです。
ダルネゴルスクや内モンゴル、ブルガリアやルーマニア産の植物フォルムを持つシリウス系の水晶の産地は、水晶の概念を変えてくれます。最初はちょっととっつきにくいと感じるかもしれませんが、シリウス系の石を体験するとその後のレムリアへの理解が深まったりレムリアとアトランティスのイメージが見えやすくなって来ると思います。