ブラジルはリオ・グランデ・ド・スール州のスノーキャップアメジスト。
リオグランデはピンクアメジストやアメジスト・ドームが採れるブラジルの代表的なアメジストの産地。
同じくアメジストの名産地であるウルグアイに隣接する州です。
ファセット部分が再結晶してキラキラ・ドゥルージーになっているファンタジックなアメジスト・
シード状になっています。
多分以前ご紹介した
こちらのアメジスト・シードと同じ産地で同じ構造なのではないかなと思います。
アメジスト・シードの再結晶にはトライゴーニックも入ってました。
こちらのスノーキャップもマクロで見るとキラキラの結晶がレコードキーパーやトライゴーニックのような△に見えて来ます。
ザックリ入った柱部分の激しいキーは、アメジスト・シードよりも鋭利です。
シード型の水晶ポイントは、高温で熱せられたβクォーツのように変化します。
手のひらサイズですがただ美しいだけでなく、鉱物学的にも面白い結晶なのではないでしょうか。
Amethyst(紫水晶)
59x29x27mm
53g
Ametista do Sul, Rio Grande do Sul, Brazil
鉱物の形成の過程で水晶が紫色になったものが紫水晶=アメジストです。この紫は天然の放射線の影響だということが近年発見されました。アメジストは水晶系の中でも複雑な構造を持つため、結晶の割れやクラックなどが目立つものが多いですが、それがまた本物のアメジストの証拠でもあります。パープルの色が濃いほど貴重で、熱処理をすると黄色になりアメトリンやシトリンと称して流通していたりします。
古代より多くの宗教で紫は高貴な色として見なされていたため、アメジストも同様に高貴な人々に愛されて来ました。世界各地で産出されますが、良質なものが採れる南米やナミビア産が有名です。
βクォーツ型のアメジストシードは高温で生成されるため、特殊な環境下にあります。ハーキマーダイヤモンドやアイスクリスタルのアメジスト・ドライゴーニック、ケニアのシリウスアメジストやセプターアメジストなど、スピリチュアリティが高くメッセージ性を感じる水晶になります。
上半分は再結晶によりトライゴーニックが現れ、下半分のアメジストにはザックリ入った成長線のレッジや、よく見るとレコードキーパーやトライゴーニックのような印が現れるものもあります。
上と下との境になる中央が一番結晶の形も色味もしっかりとしていて、再結晶が始まったのでしょうか?通常水晶の柱面のキーは他の水晶ポイントが離れた剥離痕ですが、アメジスト・シードのキーは柱面全体にぐるっと刻まれているので、他のポイントの干渉によって出来たのとは違う感じがします。一体どうやったらこんなに階段状の剝離痕が出来るのか。剝離痕ではなく、レムリアンレッジなのかもしれません?
レムリアンレッジのような成長線だとしても、あまりにも鋭く立体的です。シャープで凹凸のある柱面を持つ複雑な構造と、ファセット部分の再結晶は何か関係があるのでしょうか?
βクォーツやシード型の水晶には通常のポイントやクラスターにはないメッセージがありそうで、興味が尽きません。