ハンガリー産の巻貝の化石です。
ドイツやハンガリーなど東欧は、アンモナイトや貝化石などの産地でもあります。
この辺りは現在の大陸の形になるまで、海だった時代があったのですね。
大小三つの巻貝が母岩から見られます。
ピュアホワイトの貝の白さも美しいのですが、アイボリー色の母岩も素敵です。
また化石の跡もオシャレです。
母岩は石灰岩なのでしょうか?
この母岩の地質が貝を白く化石化したように思えます。
化石のコレクションとしてだけでなく、インテリアやヒーリングアイテムにも。
海の時代を思い出すような懐かしさを感じます。
Techeocampylaea doderleini(巻貝・カタツムリの一種) 中新世、腹足網
53x46x46mm
68.5g
Varpalota, Hungary
フォッシルシェルは、化石化した貝で、貝化石、風化貝とも呼ばれています。
貝類の化石といえば古代生物のアンモナイトが有名ですが、海の古代生物が一億年もの時を経て様々な化石となって昔海だった陸地の地層から発見されています。地殻変動により海底だった場所が地上に剥き出しになった土地や、崖や斜面から現れたりします。砂漠地帯のモロッコや、アメリカのユタ州、鉱物資源の発掘が盛んなマダガスカルなどが多く流通しています。主に地表がむき出しになってる砂漠地帯です。
フォッシル・シェルは、うっとりするようなビジュアルだけで十分に魅力的ですが、化石化した貝にはリアルな海の記憶と、化石となった地中の陸の記憶が詰まっているように見えます。深い海の記憶と深い土の記憶を有しているフォッシルシェルには抗いがたい魅力があります。
星の数ほど貝にはいろんな種類がありますが、主にらせん状に渦を巻いている巻貝と、二つの貝殻が合わさった二枚貝があると思います。なぜ貝にこの二つのまったく異なる形態があるのか不思議です。二枚貝は広げると子宮のようにも見えますし、乳房のようにも見えなくはありません。ヴィーナスのイメージとして二枚貝の貝殻で胸や陰部を隠していたりしますね。器のように広がる二枚貝に対して、巻貝は縦に伸びて行く形状。二つの貝の形はそのまま雌雄を表しているようにも見えなくもないです。
これまでご紹介した貝化石は二枚貝ですが、巻貝を初めて入手しました。ミルク色した貝化石は海の癒しのエネルギーや女性的なイメージを喚起させてくれるでしょう。