不思議な趣のある水晶と言われるプシュカル水晶。
一見すると粗削りな水晶に見えますが、内部に不思議な光をたたえている水晶です。

最初に手にしたプシュカル水晶に真っ白い粘着物がびっしり付いてました。
てっきりミネラルダッグかと思って洗ったら、どんどん出て来たんです！

カルシウムだそうですが、まだ生きている水晶なのだと思いました。

コロンビアのブルースモークとは違ったブルーグレーの光を持ち、温かい光が内部で光ります。
すっかり魅了され、数本入荷しています。


こちらはクラスタータイプ。
三位一体というか菩薩のような不思議な穏やかさのある光をたたえています。

大きな虹が出るのも嬉しい所
重なり合っている柱面いっぱいに色鮮やかな虹が現れます。

少しピンボケしてしまってますが、幾重にも重なった立派なファントムが各ポイントに見られます。
雲のような白いインクルージョンと共に...

ポイント間にあるバーナクルが白いカルシウムに覆われているのがプシュカル水晶の特徴。

宗教といっても原始宗教のような、素朴で文明とは遠い所にある宗教性のようなものを感じます。


入荷したのはもう3年前。
コロナ禍が始まる2019年の年末に入荷したのですが、今思うとなぜこのタイミングだったんだろうと思います。

菩薩のような穏やかさと慈愛に満ちた光。
青い表面に対して、内側には温かい明るい光が見えます。

インドの歴史やヨガなど宗教や文化に詳しい方は、プシュカル産の水晶というだけでも貴重なのではないでしょうか。

内側からこちらを観ているような不思議な佇まいのある石です。




Quartz, Rock Crystal（水晶、クリスタル）

108ｘ50ｘ47mm

238g

Pushkar, Rajasthan, India


























プシュカル水晶は、インド西部のプシュカルにある創造神ブラフマーを祭るブラフマー寺院近くの鉱山で発見されたクリスタルです。プシュカルはヒンドゥー教の5大巡礼地の一つであり、インド最古の街でもあります。ヒンドゥー教の聖地の中でも最も古いと言えるでしょう。

インド最古の街プシュカルに、宇宙の創造神ブラフマーが祭られているのは象徴的です。少し北東に行くと、ジャイプールやニューデリーがあり、この辺りは古代からインドの文明の中心地です。インドの文化圏はパキスタンと接している西側にあるのですね。

創造神ブラフマーは「地、水、風、空、火」の五つの要素を作り、天と地を作り出したと言われます。仏教では梵天に当たります。

プシュカル水晶には白い付着物があり、シリカやカルシウムだそうです。




創造神ブラフマーの聖地のプシュカル水晶ですが、菩薩のような穏やかさと慈愛に満ちており、こういう水晶はちょっとないなあと思います。形は荒さがありますが、大きさのわりに重く、エッジはシャープです。

ブラフマーは宇宙の始まりを示す神様。その聖地であるプシュカルは、インドの中心地域にあり、文化的にも宗教的にもとても重要な町なのだと思います。このような地域に鉱山があり、水晶が発掘されることは驚きですが、聖地には人を惹きつける土地の力があると思います。それがその地に眠っている鉱物や水晶ということもあるでしょう。不思議なのはプシュカル水晶がブラフマーのような男神ではなく、菩薩のような穏やかさのある石なこと。それがこの世の本質なのかなと思えて来ます。