古い物で億単位の年月をかけて化石化(フォッシル)した
珊瑚(コーラル)のルースです。
菊の花びらのような模様の一つ一つが珊瑚なのです。
珊瑚というと竜宮城にあるような
赤い枝を生やしたものを思い浮かべますが
こちらは岩肌を覆うように自生するタイプの珊瑚が石化したものです。
矢車菊や風車のような珊瑚の化石が
美しく白く石化しています。
表面もサイドも滑らかにカットされており
傷やカケなどもありません。
4cmもあるビッグサイズのフォッシルコーラル。
白いサンゴの結晶が幾重にも重なっていて
まるで南国の砂浜のように白く美しい砂が
サンゴの化石と一緒に詰まっているようです。
鉱物名___Coral, Fossil Shell
サイズ___40X23X6mm
重さ____41.6cts./8.3g
石の処理__ナチュラル
原産地___アフリカ
珊瑚にも様々な種類があって、こちらの石は「キクメイシ(菊目石)科サンゴ」や「六放サンゴ類」という種類の珊瑚が石化したもののようです。珊瑚はもともととてもカラフルな色彩を放つ海の無脊椎動物で、その記憶そのままにプリントされたかのように石化したものはまるで菊やひまわりを想わせるような美しく咲いた花になっています。
古代世界に棲息していた様々な生物や動物。樹木や動物の骨、貝、珊瑚などが地層に埋もれ、地層の成分と混じり合い石化したものも、やがて鉱物の一つになって行きます。
そのような長い時間をかけた古い化石は鉱物と変わらぬ古い記憶を内包していて、原始地球の強いエネルギーを持つと考えられています。
フォッシル・コーラルは化石や標本と同じようなもので、画像や写真で見るよりも実物の方がずっとその本質を伝えてくれます。現代に生産された物に囲まれて生きる私たちには、何億年も昔のエネルギーに触れる機会はほとんどありません。フォッシル・コーラルは海の化石でもあるので、そのエネルギーは普段私たちが触れるエネルギーとは異質なものです。
シェルやコーラルのようなアイテムは自ら強くアピールすることはしません。海が当たり前にそこにあるように、海の記憶やエネルギーを感じさせてくれます。海からやって来た化石類や海の産物はそんな静かな佇まいで私たちにそっと寄り添う感じです。
形や菊の花のような模様が似ているせいかもしれませんが、化石珊瑚のルースには「和の風景」を想いださせる風情がありますね。どこか郷愁を誘うような、懐かしい感じがするのは、日本人がもともと海からやって来た民族だからかもしれません。
昔の日本では娘や孫娘のような女の子への贈り物として、珊瑚や真珠のアクセサリーが贈られました。珊瑚は強い生命力を持つ生物です。また法螺貝や帆立貝は、山伏やカソリックの巡礼を導き守護する必須アイテムで、それはシェルのような海の産物に強い霊感と守護力あると信じられていたからです。珊瑚が古くから女の子への贈り物とされていたのも、そのきらびやかな装飾だけでなく、海の力と生命力が強い守護となると信じられていたからかもしれません。
貝は古代から霊感や守護力の象徴で、山伏は法螺貝を拭きながら修験道の道を歩み、カソリックの殉教者はホタテ貝を首にぶら下げサンチャゴの道を行きます。また、世界中で貝殻が通貨の代わりに用いられていた時代があり、貝は金運や財運の象徴ででもあります。実際フォッシル・コーラルを眺めているととても幸福な気持ちが溢れてきます。持ち主に大海を漂う貝のような楽観性を授けるでしょう。
また、曼荼羅や車輪のような珊瑚の模様は、こちらの石が輪廻転生のような何らかのサイクルや永遠性のようなものを示していると思います。