ベルベット色の赤と渋みのある黒のコントラストが華やかな
ユーディアライト。
赤色の発色が格別に美しく鮮やかです。
またそれを引き立てる黒も濃く、荘厳な神殿や洞窟のような
ヨーロッパの重厚な伝統のような雰囲気を漂わせています。
まるでルビーのような鮮やかさを持つユーディアライト
白い成分が少し入っているのもデザインをにぎやかにしています。
ユーディアライトの美しさはなんといってもその赤色ですが
その色を引き立てる黒や緑、白などの存在が
他の鉱物とは違ったハーモニーを生み出していて
赤色以外の成分の混ざり具合や発色の美しさも
見どころだと思いますし、この石の面白さだと思います。
クリスマスカラーとよく似た色を持つため
クリスマスっぽいイメージのある石ですね。
サイズも大きく見応えのある一品です。
まるで花束のような祝福に満ちています。
鉱物名___Eudlialyte
サイズ___31X21×6mm
重さ____34.3ct./6.8g
石の処理__ナチュラル
原産地___ロシア
ユーディアライトはスカンジナビアのロシア側にある、ラップランド地方のコラ半島で産出され、この地の原住民の間では「戦いによって流された血」という伝承があるそうです。そんな伝承を聞くと、こちらのユーディアライトの赤も大地に流された血のように見えてくるから不思議です。
ユーディアライト(Eudialyte)のeuは、ギリシャ語で溶けやすいという意味で、実際ユーディアライトは変質しやすく、乾燥が激しかったり環境がよくない所で保管されていると、劣化が早いようです。
コラ半島はオーロラが観測される地方です。北極圏に近いエリアで発見される鉱物には、比較的新しいものが多く、新しい時代のメッセージを携えて私たちの元へやって来るのではないでしょうか。
ユーディアライトの伝説は、兵士が流した血というなんとも痛ましいものです。実際ユーディアライトには過去のトラウマを再起させるような作用があり、ユーディアライトが変容を意味するのはその変質しやすい鉱物の性質とともに、持ち主に過去の痛みを洗い流し変容を促すためだと思われます。
クリスマスはキリストの生誕を祝うシーズンでクリスマスのイベント感はすっかり日本にも定着していますが、一年の終わりということもあってこの季節は師走という名の通り心忙しい季節です。殉教者のキリストのイメージは十字架に掲げられたイメージの如く、痛ましく辛いもので、苦しみや悲しみという痛みを否応にもイメージさせるものです。ユーディアライトのクリスマスっぽいイメージや、石の由来もそれにシンクロする部分があります。
一年の終わりは同時に新しい年への始まりのステップで、終わりはいつも人の死のように物悲しく寂しさを伴うもの。終わりは一つの完成を意味するなら、ユーディアライトにも一つのサイクルを終了させ新しいステージへ脱皮させるような力があるのかもしれません。一年の終わりにユーディアライトがやって来ます。この季節のイメージにぴったりなユーディアライトはまた石にもそのようなメッセージがあるからでしょう。終わりは常に次への始まり。そんな覚悟や勇気を血とバラの祝福とともにもたらしてくれる石だと思います。