蛍光鉱物の産地であるアメリカの
フランクリンの鉱山で産出されるウィレマイトです。
ジンカイトなど様々な鉱物と共生して発掘されます。
蛍光鉱物として有名なフランクリナイトの原産地ですが
こちらのウィレマイトにもフランクリナイトが入っています。
赤い斑点はジンカイト。白さはカルサイトで
雲母のような黒銀がフランクリナイト
全体的に薄茶色がかっているのがウィレマイトです。
画像はUV長波です。UV短波でも少し蛍光します。
蛍光するのはウィレマイト部分です。
混合鉱物に紛れ込んでいるため蛍光することで姿を現します。
クリスマスっぽいキュートなルックスにも関わらず
鉱物的にかなりマニアックなのです(^^ゞ
装飾用の鉱物ではないのでルースカットされたものはかなりレア
とってもにぎやかで見ていて飽きないルースですよ。
鉱物名___Zincite, Franklinite, Calsite in Willemite(珪酸亜鉛鉱)
サイズ___44X17X5mm
重さ____38cts./7.8g
石の処理__天然無処理
原産地___Trotter Mine, Franklin, ニュージャージー州(アメリカ)
フランクリンの鉱山は豊富な蛍光鉱物の産地として有名で、「蛍光鉱物のメッカ」「蛍光鉱物の首都」と呼ばれるほどたくさんの種類の蛍光鉱物が発掘されます。原産地の名前がついたフランクリナイトは蛍光鉱物に関してマニアでなくても一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
ウィレマイトは薄茶色の地味な石で、他の鉱物と共生して発掘されます。赤いジンカイトや白いカルサイトの影に隠れながら、蛍光すると姿を現し圧倒的な存在感を見せます。
ウィレマイトの中の赤いジンカイトも天然のものはフランクリンとナミビアのツメブ鉱山でしか産出しません。蛍光するジンカイトはフランクリンのみです。ジンカイトは亜鉛工場の煙突部分や工場や鉱山の火事などで結晶が見つかることがあり、人工的にも生成可能なので市場に出回っているジンカイトは人工物が多いそうです。
黒いフランクリナイトはスピネルグループの一種で弱い磁性を持ちます。芸術的感覚や美意識をもたらすと言われています。
フランクリンは大理石地帯と呼ばれるほど様々な鉱物が発掘される場所で、他にもロードナイトなど天然の美しい鉱物が産出されます。採算割れのため鉱山はすでに閉山しています。
一般的なウィレマイトでも他の鉱物と共生して単独でみられることはほとんどなく、その姿も鮮やかで存在感のある他の鉱物の影に隠れているめ明らかではないのに、蛍光すると突然姿を現し明るく蛍光するため、複合鉱物でもこの石の名前が主役になっているというとても面白い鉱物です。
まるで縁の下の力持ちのような実力者。白いカルサイトの中でうっすらと赤味を帯びているのがウィレマイトですが、ほんのり赤色が赤や黒の斑点模様の白いルースをとてもキュートにしていると思います。サンタ色のカラーリングですが、どこか白い雪の上に赤い鮮血が散らばっているようなドラマチックな風情もあり。カルサイトの表面にキラキラ輝く部分もあってにぎやかでとても華やかなルースです。
ウィレマイトに関しては、蛍光鉱物ということもあって、閃きや感性など脳を刺激するような効果がうたわれています。オパールの蛍光に通じる所があり、やはり見えない波長のようなものを脳に送っているのかもしれません。