ピカソの絵画のようなデザインから
ピカソジャスパーと名付けられたジャスパーです。
カラフルなものもありますが、こちらのようなモノトーンで
ネット状のラインが縦横無尽に広がっている
ピカソ晩年の作品によく似た雰囲気のタイプが多いです。
癒しとは程遠い石ですが、シンプルながらもダイナミックな迫力があり
その力強さはメンズ向けのアクセサリーなどによいでしょう。
こちらは明るいグレーにブラウンが入っており
縦横にクロスしている黒いラインがまるで十字架のよう
デザインはコワモテですが、ジャスパー特有の
きめ細かい質感でとてもツルツルして気持ちよいです。
そのきめ細かい石質がこの石のデザインに
絵画のようなディテールを与えているのかもしれません。
滑らかに研磨されカットされています。
鉱物名____Picasso Jasper(碧玉)
サイズ____33×22x5mm
重さ_____26.5cts./5.3g
石の処理___天然無処理
製造国____インド
ポーセリンジャスパーのように極めてきめ細かい女性の肌のような質感とピカピカに磨かれた鏡面のような滑らかな表面を持つピカソジャスパー。あまりにも絵画のような石なので、ピクチャージャスパーと混同しそうになりますが、まるで枯れ木の森のような独特の風景を持つのがピカソジャスパーの特徴。
巨匠が至った最後の境地と呼ばれるピカソの晩年のイラスト画は、一切の色彩を排除しひたすら男女の肉体の線が絡まるように描かれた作品群です。ピカソジャスパーの凄みのある迫力は、生と死の狭間で見える諦念なのかもしれません。
ちょっとおどろおどろしい風貌のピカソジャスパー。ひょんなことから大量に仕入れてしまった時期がありまして、、、自分でもなぜ魅かれるのかわからない、ホラーな趣味はないんですが、こういうのも縁なのでしょう。
でもずっと魅かれた理由がわからなくて謎のままだったのですが、こちらの石が黒い十字架に見えたことで合点が行きました。私はこの石の土着な力に引き寄せられていたんだと思います。
黒い十字架というのは、白い十字架でもあるキリスト教の前身の原始宗教であると言えるでしょう。キリスト教には様々な土着の宗教の伝統や習慣が組み込まれており、聖書によって体系化されたため、広く流布され何千年も続く巨大宗教に発展したのだと思います。一神教の教祖の神格化のためにキリスト教の母体となった各地の原始宗教の存在は今日でも異端とされ否定されていますが、歴史を探ればそれは無意味な抵抗だとわかります。
そう気づいた途端、ピカソジャスパーに対する恐れは消え、この石の黒さは別の神聖さがあることに気づきました。豊な土壌が黒々としているように、この石の黒さは夜の闇ではなく生命を育む大地の黒さなのです。
大地との繋がりが強いジャスパー。ピカソジャスパーも例外ではありません。