メキシコ産のボーナイトの原石です。
ボーナイトとは班銅鉱で、銅の硫化鉱物。
硫化鉱物とは、金属元素と硫黄が結合している鉱物のことです。
硫黄の作用でこのような蛍光色に変化するのでしょうか。
硫黄も蛍光イエローですしね。
鮮やかな発色の蛍光紫の中にオレンジやピンクのメタリックな色も入っており。
この油絵具のような濃厚な発色はアズライトやクリソコラなどカラフルな色合いを生み出す銅鉱床ならでは。
こちらはカルサイトのようなクォーツ?も少し入っているようです。
ボーナイトもきらめき具合に強弱があるようで、キラキラするものを選んでいます。
宇宙のような輝きを見せるボーナイト。
妖しい色合いを持ち、とても心惹かれます。
鉱物名___Bornite (班銅鉱)
サイズ___29X23×14mm
重さ____15.8g
原産地___メキシコ
ボーナイトの中でも虹色のカラフルな石は、孔雀銅鉱(Peacok Ore)という別名を持ちます。とっても賑やかでパーティーカラーのボーナイトはまるでファンシーグッズのようですね。宇宙の惑星のようなきらめきが地球の地下から生まれるのは何とも不思議な気持ちになります。
熱水が流れる鉱脈で、黄銅鉱(チャルコパイライト)やガレーナ(方鉛鉱)、石英(クォーツ)と共に生成されるそうです。産出時は褐色ですが、酸化と共に紫色のカラフルな斑点が表れるため、班銅鉱と呼ばれています。ボーナイトの名前の由来は発見者のオーストラリアの地質学者Bornによります。
こんなに個性的な石は原色や紫が好みじゃなくても一度は実物を目にしてみたいものですね。紫からオレンジ、ピンクと酸化の度合いによって変化していくグラデーションはやはりおぉー!っと地球の神秘に感嘆するものがあります。もともと褐色の普通の岩や石であったものが、地上に現れて空気に触れることでこんなにも色鮮やかに変化して行く。知らないで保管していた人はきっとびっくりしたでしょうね(^^ゞ
ビビアナイトのように酸化で黒ずんでいく石もあれば、ボーナイトのようにカラフルに生まれ変わる石もある。鉱物が地上に出て行くというのはとてもダイナミックで劇的なことなのだなと思います。まるで出産のような一大事で大きな決心を持って姿を現しているのかもしれません。地上で暮らす私たちに様々な楽しみや喜び、人類の文明の糧になるためにやって来てくれているのかなと思うと感謝しかないですね。