こちらは国内の業者さんからジェムシリカとして入荷しました。
ですが成分の浸透があまり見られないので表示は当店の判断になります。
孔雀の羽根の結晶の結晶が残るマラカイト、ドゥルージーになっているクォーツにクリソコラ
黒い柱状のものは最初マラカイトと共生するアズライトと思いましたが、ダイオプテーズの結晶にもよく似ています。
粒状の結晶はダイオプテーズ特有のもの。
ダイオプテーズの産地のナミビアではダイオプテーズのマラカイト共生が発掘されています。
アリゾナ産でも共生が確認出来ましたので、ダイオプテーズと判断致しました。
そして恐らく?一番大きくて透明な洞窟のような結晶がカルサイト
カルサイトなのかシリカなのか迷う所ですが破片状の結晶からカルサイトかと思われます。
まるでカルサイトに群生しているかのようですが、恐らく母岩の間に生成されたのがカルサイト
両サイドに茶色い母岩やその名残が見えます。
これらの石にシリカが浸透して行くとジェムシリカに変貌するのでしょうね
その前段階なのかもしれません。
それぞれが独立しながら集合しているのが面白いです。
ドゥルージーな部分やペールグリーンの部分など一部ジェムシリカ化していると思います。
とてもクリアで光に透かすとカルサイトの結晶も見えて来ます。
まるでジェムシリカのデッサンのような鉱物の個性が見れます。
※こちらは在庫管理のミスで別商品の価格になっていましたのを修正致しました。
Gem slica - Chrysocolla, Malachite, Dioptase & Calcite
59x40x31mm
68.6g
アメリカ・アリゾナ州産
ジェムシリカはクリソコラやマラカイトに珪酸(シリカ)成分であるカルセドニーやクォーツが染み込んで強度が硬化されたものをいいます。カルセドニーが染み込んでいるものはクリアでアゲート質になります。クォーツ化したものはより硬度が高くなります。
それぞれ「クリソコラ・カルセドニー」「クリソコラ・クォーツ」などとも呼ばれ、ジェムシリカはその中でも宝石質の美しさを持つ特別な石を指します。
ジェムシリカはアリゾナやペルーなど現在のところアメリカ大陸でしか採取されていない希少石です。類似した天然石に同成分の複合石であるクォンタムクアトロシリカがあります。石の定義や解釈は発掘現場と流通市場によって異なることもあります。
ジェムシリカの透明な結晶がクォーツやシリカなのか、こちらのようにカルサイトなのか、よく迷います。それだけいろんな鉱物を巻き込んでシリカ化してしまうのがジェムシリカ。既存の鉱物が溶け合い染み込んで新たな響きを持つ鉱物へと成長する、進化していく。ジェムシリカには鉱物たちが辿った軌跡が残っている面白さがあり、融合し響き合う鉱物たちのハーモニーを聞くことが出来ます。
ジェムシリカの場合はそのハーモニーがとてもやさしく包み込んでいるようで、その包容力は女性性の石、母性の石といわれる所以かもしれません。
マラカイトやダイオプテーズといった個性の強い石をカルサイトやクォーツ、カルセドニーやアゲートなど石を繋ぐ石たちがマイルドな響きに変換してくれている気がします。