デンドライトがマラカイトが混じった岩石に現れた、デンドライト・マラカイト。
母岩は大理石の一種であるライムストーンに入ったドイツ産のデンドライト・ライムストーンが有名ですが、こちらもライムストーンの一種なのでしょうか?
わかりませんが、よく似ています。
デンドライトが他の成分と一緒にここまできれいに現れる石は大変珍しいと思います。
マラカイトと一緒になったデンドライトの光景は、まるで緑の中に咲く植物のようであり、色の付いた絵画のようです。
デンドライト大好きなので、いくつか入荷しています。
こちらは一番小さなタイプになります。
マラカイトが露出しているので、触った手を舐めたりしない方がよいでしょう。
Dendrite, Malachite(忍石)
70x65x14mm
68g
Tenke-Fungurume area, Lualaba, Congo
デンドライトは鉱物の亀裂に混入したマンガンが浸透し、樹枝状に結晶したものです。結晶化したマンガンが植物や樹木もそのものに見るのは、自然の奇跡と言わざるをえません。ライムストーンに入ったデンドライトは、「デンドライト・ライムストーン」や成分の名前をそのまま取った「サイロメレーン(硬マンガン鉱/Psiromelane)・デンドライト」とも呼ばれます。
サイロメレーンは天然石にもなっており、アゲート模様のメタリックな黒い石なので、そのビジュアルから「リボンヘマタイト」とも呼ばれていますがヘマタイトとは別の石です。デンドライト・ライムストーンも「ヘマタイト・デンドライト」として流通していることもあり、デンドライトオパールと違って呼称が統一されていないようです。共通しているのは、石自体よりもインクルージョンであるデンドライトをメインにしている所です。偽化石とまで呼ばれるように、化石に近い扱いになっています。
ライムストーン(石灰岩)は様々な微生物や貝類などが堆積し、炭酸カルシウムなどが沈殿した堆積岩なので、化石が発見されたりデンドライトのような成分の結晶も多く見られます。
デントライトはギリシャ語で樹木を意味するdendronに由来します。デントライトには樹木の記憶が残っていて、樹木や森の意識と繋がりをもたらしてくれる気がします。デンドライトオパールが冬の雪原に生える針葉樹林のような風景ならば、デンドライト・ライムストーンは砂漠や荒野にたくましく生える低灌木を思わせます。まるで恐竜時代の樹木の記憶を残したようなライムストーンのデンドライト。日本語で「忍石」と呼ばれるのもデンドライトのどんな所でも葉を伸ばす植物や樹木のたくさましさを表しているように思います。
地球上の微生物や生物のエネルギーによって生まれた石灰岩は、鉱物ではないですが、生き物の記憶が生んだ石にはどこかまろみや柔らかさがあるように思います。
マラカイトのグリーンと一緒になると、野原のようにも見えますし、南国の爽やかなグリーンにも見えます。デンドライトがヤシの木のように立派だからでしょうか。風景のように見えるのは限られており、厳選したものを入荷しています。
販売価格 |
SOLD OUT |
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型番 | DEN398RH |