ブラジルはリオ・グランデ・ド・スール州のセクター・アメジスト。
ポイントがそれぞれのセクターに分かれている珍しいアメジストです。
下半分にはザクザクと入ったキーが刻まれているのは、シェブロンアメジストやアメジストシードによく似ていて、同じグループの形態なのかなとも思います。
レコードキーパーなどファセットの成長丘が特徴的なポイント。
アメジスト・シードと同じく、柱部分のキーにもレコードキーパーのようなグリフが見えます。
大きなサイズで透明感があり、セクターと一緒にファントムの構造も見えますので、これまで入荷したアメジスト・シードの中では一番のハイクオリティになります。
ゲーサイトも入っているようです。
このタイプは見方によってはβクォーツのように高温によって生まれた形のようにも見えなくもありません。
アメジスト特有なので、高熱によって生まれるβクォーツと、自然放射線の高熱によって生まれるアメジストには因果関係があると思うのです。
リオグランデはピンクアメジストやアメジスト・ドームが採れるブラジルの代表的なアメジストの産地。
同じくアメジストの名産地であるウルグアイに隣接する州です。
リオ・グランデ・ド・スール州の中でも、アメジストの名前が付いた鉱山から産出されたものです。
Amethyst (紫水晶)
90x60x49mm
212g
Ametista do Sul mine, Rio Grande do Sul, Brazil
鉱物の形成の過程で水晶が紫色になったものが紫水晶=アメジストです。この紫は天然の放射線の影響だということが近年発見されました。アメジストは水晶系の中でも複雑な構造を持つため、結晶の割れやクラックなどが目立つものが多いですが、それがまた本物のアメジストの証拠でもあります。パープルの色が濃いほど貴重で、熱処理をすると黄色になりアメトリンやシトリンと称して流通していたりします。
古代より多くの宗教で紫は高貴な色として見なされていたため、アメジストも同様に高貴な人々に愛されて来ました。世界各地で産出されますが、良質なものが採れる南米やナミビア産が有名です。
βクォーツ型のアメジストシードは高温で生成されるため、特殊な環境下にあります。ハーキマーダイヤモンドやアイスクリスタルのアメジスト・ドライゴーニック、ケニアのシリウスアメジストやセプターアメジストなど、スピリチュアリティが高くメッセージ性を感じる水晶になります。
上半分は再結晶によりトライゴーニックが現れ、下半分のアメジストにはザックリ入った成長線のレッジや、よく見るとレコードキーパーやトライゴーニックのような印が現れるものもあります。
上と下との境になる中央が一番結晶の形も色味もしっかりとしていて、再結晶が始まったのでしょうか?通常水晶の柱面のキーは他の水晶ポイントが離れた剥離痕ですが、アメジスト・シードのキーは柱面全体にぐるっと刻まれているので、他のポイントの干渉によって出来たのとは違う感じがします。一体どうやったらこんなに階段状の剝離痕が出来るのか。剝離痕ではなく、レムリアンレッジなのかもしれません?
レムリアンレッジのような成長線だとしても、あまりにも鋭く立体的です。シャープで凹凸のある柱面を持つ複雑な構造と、ファセット部分の再結晶は何か関係があるのでしょうか?
βクォーツやシード型の水晶には通常のポイントやクラスターにはないメッセージがありそうで、興味が尽きません。